残された人生の生き方を求めて

平均寿命まではまだまだですが、50代後半に差し掛かって、残された時間で、本当に知りたかったこと、そしてその答えを探していくなかで、お念仏に出会いました。私の考えたことや、その手助けになった本や体験を書いていきたいと思います。

生き方

京アニ放火殺人事件に思う

京都アニメーション放火殺人事件の青葉被告に死刑判決が言い渡されました。(2024年1月25日) やはりというか、当然だろうという思いはあります。あれほどの凄惨な事件なのですから。しかし、この事件は私にとっても、とても大きなできごとでした。それは、…

バカは死ななきゃ…

浄土の教え、念仏とは。今の私の理解は以下の通りです。 煩悩具足の私は、生きている間に煩悩を離れることは不可能です。そのため、我が名を称えるものは死後、必ず我が国「極楽浄土」へ生まれさせる、という阿弥陀仏の誓願を信じ、念仏を称える。私が煩悩か…

一本の糸 ~念仏をとなえる生活~

今私は、念仏をとなえる生活を送っています。その心は 本願を信じ念仏をまうさば仏になる(『歎異抄』第十二章) という『歎異抄』にある一節を、そのままいただいています。なぜ、その言葉をいただくのか。それは、やはり同じ『歎異抄』の一節、親鸞聖人の…

欲生我国

『無量寿経』には阿弥陀様の本願が書かれていて、その第十八願に、私たちを阿弥陀様の国、極楽浄土へ生まれさせるための願いが書かれています。そこには、念仏が私たちを極楽浄土へ生まれさせる根拠になる、こういう記述があります。 十方衆生 至心信楽 欲生…

前回の記事「私とピアノ」を書いた後

つい先日書いた前回の記事で、私が約4年ぶりに楽器を手にしたことを書いたのですが、その後、改めて気が付いたこと、考えさせられたことがありました。 以前このブログで紹介した、阿満先生の本、『『歎異抄』講義』(ちくま学芸文庫)を最近また読み返して…

私とピアノ ~再び楽器を手にして~

今回はかなり個人的な内容です。まあ、いつもそうなんですが…。 私はかつて音楽が好きで、20代の頃は自分でバンド活動をしつつ音楽関係の仕事をしていました。といっても、そんなにメジャーな仕事ではありません。一般の人が知らないような裏方的な仕事は音…

『死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説』を読んで(その2)

(その1からの続き) thinking-about.hatenablog.com こんなことを書くと、私が随分と格好のいいことを書いていると感じられるかもしれません。「弱者の味方」を気取っていると感じる人もいるかもしれません。ですが、今ここに私が書いていることは、私自身…

『死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説』を読んで(その1)

少し前になりますが、京都の法然院で、『死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説』(田坂広志=著 光文社新書)という本を題材に、意見を述べあう集まりがあり、参加してきました。事前にその本を各自読んできて、感じたことを話し合うのです。今回、…

私は、生きたい

今日は2022年の大晦日です。大晦日だからといって、私にとって何か特別なことがあるわけでもなく、日々の生活の一日に過ぎません。とはいっても、やはりこの一年を振り返ってしまいます。その時ふと気がついたのですが、このブログを始めて三年が過ぎたので…

聴聞の日々に起こった迷い

私は今、時間が許す限り、法話や浄土の教えに関する講演を聞きに、つまり聴聞にいってます。このような聴聞生活を始めて、かれこれ3年になります(2022年12月現在)。 離婚と破産という出来事を経て、仕事や家庭、家と土地も失って、一人で今住む街に越して…

再び、孤独と寂しさについて

前回の記事で、孤独と寂しさについて書きました。それからさほど日が過ぎていないのに、「ああ、そうだよな」と新たに気付かされることがあったのです。 thinking-about.hatenablog.com 阿満利麿先生の講義を収めた本、『『歎異抄』講義』(ちくま学芸文庫)の…

2022年報恩講を終えて ~「寂しさ」と共に生きる~

今年2022年の報恩講も終わりました。 報恩講とは親鸞聖人の命日である11月28日前後に行われる法要です。私が今回参拝した京都の東本願寺(真宗大谷派)や佛光寺では、11月21日から28日まで連日法要や法話が行われます。ちなみに報恩講の期日は宗派や寺院によっ…

阿弥陀仏の物語を信じること

本願を信じ念仏をまうさば仏になる 『歎異抄』の第十二章に書かれている言葉です。学問をしなければ浄土に生まれることは難しい、という説に対して、著者唯円は、阿弥陀仏の本願を信じて念仏すれば浄土に生まれる、ということを知る以外に、何の学問が必要な…

私の苦しみ

私がこのブログを始めたのは、このブログのタイトルどおり、それまでの生き方で一生を終えたくない、という思いからでした。 最近の記事(といってもあまり更新していないのですが…)で度々触れていますが、私は数年前に離婚や破産という経験をしました。その…

自分の正しさ~浄土真宗大谷派「不戦決議」に思う~

浄土の教えに関する法話を聞く中で、浄土真宗大谷派の「不戦決議」を知りました。この「不戦決議」は1975年、戦後50年にあたり浄土真宗大谷派の宗会で採択されたものです。内容は文字通り、先の大戦に際して宗門が犯した罪を懺悔して、不戦を誓うものです。…

怒りの心

仏教では、「貪(とん)」「瞋(じん)」「痴(ち)」という三つの煩悩を「三毒」として、最も重いものにあげています。この「三毒」についての詳細は、私は仏教の専門家ではないので書きませんが、その中の「瞋」について、特に思うところがあります。 「瞋」とは…

慣れていくこと

近頃はこのブログで、私の辛かった経歴に触れるようになりました。離婚であったり、それに伴う子供たちとの別れであったり、倒産や破産だったり…。ブログを始めたころはほとんど書かなかったのです。それらを書くようになってきたのは、今はその辛さから抜け…

難思議を帰命せよ

前回の記事で私は、親鸞聖人の『和讃』にある「難思議を帰命せよ」という文言に触れました。それに関連して、今の私の考えをまとめてみたいと思います。 今私は、念仏を唱える生活を続けています。このブログの表題、残された人生を考えたとき、なぜ私は「念…

極楽浄土の存在

今現在、私は念仏を唱える毎日を過ごしています。しかし、実際に自分で念仏を唱えるまでには、時間がかかりました。浄土の教えそのものには、ずいぶん前から納得はしていたと思います。特に『歎異抄』に書かれている内容は論理的であり、私にとっては、大変…

酒井義一氏のご法話を聴いて

今年(2020年)に入ってコロナウイルスの影響があり、講演や法話を聴く機会が少なくなってしまいました。そこで、Youtubeなどのサイトで講演や法話を聴く機会が多くなりました。その中で、つい数日前に視聴した法話について、書きたいと思います。講師の方は…

損することと得すること

阿満利麿先生の本の中で、強く印象に残っている一節があります。「歎異抄」を訳された本で、第三章の阿満先生による解説の部分です。 自己の欲望を追及することが人生という近代以降の風潮のなかで、自己中心であることが原因で起こる摩擦、軋轢、悲劇を認め…

「縁」という考えがもたらしてくれたこと

仏教には「縁」という言葉がよく出てきます。「因縁」「業縁」「縁起」など、「縁」はひとつのポイントになっている気がします。そして、今の私は「縁」というものを強く実感しています。 この記事を見てくれた人には「縁」についてよく知らない人もいると思…

お金

お金というのは、本当に恐ろしいものだと思います。 世の中の起こる様々な事件、トラブル、悲劇的なできごとのほとんどには、お金が関係しているのではないでしょうか。私は歴史の専門家ではないので、あくまでも私の知る範囲での想像ですが、戦争の原因も金…

『男はつらいよ』寅さんに思う

新型コロナのために、自宅で過ごす時間が多くなり、Netfrixに登録して映画を見始めました。その中で『男はつらいよ』シリーズを見たのです。 『男はつらいよ』シリーズは、20代のころ友人に勧められて見たのが最初です。それからしばらくはまって、その当時…

正しいと思う行いをすること

自分が正しいと思った行いをする。いけないことだ、と思うことはしない。そうすれば、胸を張って生きていける。自分のしたことが評価されなくても、報われなくても、きっといつか理解してくれる人は現れてくれるはずだし、何より、自分自身が堂々と生きてい…

音楽を楽しむ心

私は若いころから音楽が好きでした。自分ではピアノ・キーボードを弾き、実は若いころはプロミュージシャンを目指して、実際に音楽関係の仕事をしていたこともあるのです。もちろん、そんなに大きな仕事を経験したわけではなく、歳をとるにつれて次第に音楽…

法蔵菩薩 ~阿満利麿先生の講演を聞いて~

先日、阿満利麿先生の講演を聞き、それについて感じたとこを記事にしてきました。前回の記事で、先生の本や話には、仏教に素人である私の素朴な疑問に答えてくれる内容が多い、ということを書きました。今回聞いた講演でも、いくつかあったのですが、その中…

六道に思う ~阿満利麿先生の講演を聞いて~

前回の記事で、阿満利麿先生の講演を聞いて、自殺に関することを書きました。その中で、六道輪廻について触れて、果たして私は「輪廻」や、地獄や餓鬼などの「六道」を信じているのかという、自分自身の疑問も書きました。今回はそれについて、やはり先日の…

「ネクラ」と「負け組」

30年以上前、私が大学生のころに「ネクラ」という言葉が生まれて急速に広がりました。性格のことを明るい暗いと表現することはそれ以前からあったと思いますが、根が暗い、つまり「ネクラ」という言葉がその頃現れたのです。 その当時、私の周りの空気は、ネ…

ある元衆議院議員の死

このブログは私の考えたことをまとめていこうと思って始めたので、時事的内容や日記的な内容は書くつもりはありませんでした。ですが、つい昨日、自殺について思うことを記事にまとめてアップしたあとに、ある元衆議院議員の死のニュースを知りました。 まだ…